松葉ヶ谷雁信

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お久しぶりです

お久しぶりです 私たちのことを覚えておられますか?私は平井智親 家内は律子です 私はこのお寺(ハワイ日蓮宗別院)で都合10年半お世話になり 6年前にカリフォルニアへ転勤になりました そしてこの度 ふたたびこのお寺に戻ってきました 皆さんはこの6年どのようにお過ごしでしたか?

このお寺に戻ることについていろいろ相談をしている時に 宗務院の国際課の佐々木課長が「ハワイに行くことになれば 奥様が喜ばれるでしょう」といわれました 私は「どうしてそのように思われるのですか」と尋ねました すると佐々木課長は 「奥様はハワイのご出身なのでしょう だから故郷に帰ることになり喜ばれているのではないのですか」といわれたのです 私は大笑いしてしました 「家内はハワイの出身ではありません 私と同じ佐賀の出身で 高校のクラスメートです」課長は驚いて「えっ」と声を上げられ 「大変失礼しました」と謝られました 「お気になさらないで下さい 私も家内もハワイが大好きですから決まればきっと喜ぶでしょう」と答えておきました 私から話を聞いた家内もしばらく笑いが止まりませんでした 何故佐々木課長がそのように思ったのかというと このお寺の7月の大法要の時に2人でお手伝いに来ましたが その時の家内の様子があまりにも自然で何の違和感もなかったためにハワイ出身だと思い込んでしまったのだそうです

さて 2012年は皆様にとりどのような年でしたか いい年だったという人もいるでしょうし それほどいい年ではなかったという人もいるでしょう 私にとって2012年は とても出張の多い変化の年でした サンフランシスコ郊外の日蓮宗開教布教センター(現国際センター)から日本には9回 東南アジアに2回 イタリアに1回 国内ではシアトルに3回 ロサンゼルスに1回 皆さんの大好きなラスベガスに2回 このハワイにも実は3回目です ほぼ毎月出張があり 計算すると地球を5周と半分ぐらい移動したことになります 最後には 自分がどこにいるのかわからなくなるほどでした

出張が多く変化の年でしたが その内最大のものはやはりなんと言ってもハワイに転勤が決まったことです 年頭には夢にも思わなかったことでした 人生何が起こるかわかりません 何が起こるかわかりませんが 私達はハワイに戻ってこられて大変幸せだと思っています その意味で 2012年は私たちにとっていい年だったと思います 皆さんにとってはどのような一年だったのでしょうか

ところでよく人々は 「過去は変えられない」といいます 皆さんはどう思われますか 同じように変えられないと思いますか 私はそのようには思っていません 過去も変えられると思っています 変なことをいうなと思われるかもしれません 確かに一つ一つの事実は変えられないかもしれません しかし その事実に対する考え方や見方は将来大きく変わる可能性があると思います 例えば 何百億もの高額の宝くじに当選する人がいます その人達は当選した時に当然大喜びします しかし そのような高額の宝くじに当選した人は数年後に自己破産することが多いそうです 何百億もあるのにどうして破産になるのかわかりませんが その後のインタビューなどでは 沈痛な顔をして宝くじが当たらなければ幸せだったのに あれが全てを変えてしまった 当たらなければよかったと語る人が多くいてびっくりしました 宝くじに当たったという事実は変りませんが 当選したことに対する見方考え方は全く反対になってしまったのです

このように過去は変ります 全てのものは変わります そのことを仏様は「諸行無常」という言葉で教えて下さっています 2012年がどのような年であれ その評価を決めるのは 実は2013年であり それ以降の自分の生き方に関わってくることなのです もし2012年がいい年であったならば そのような見方考え方を続けられればよいし あまりいい年でなかったとしても いい年であったといえるように努力すればよいのです

全てのものは変ります どのように変えるのかは自分次第であるということをお考え下さい 毎年毎年 いい年であったといえるように共に努力をしたいと思います

2012年12月31日