松葉ヶ谷雁信

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異体同心

皆さんおはようございます ご機嫌はいかがでしょうか

今日はまず 先週末に行われた盆ダンスが大成功したことを報告し いろいろご理解ご協力頂いた皆さんに感謝をしたいと思います とても多くの方が参加をしてくれまして それほど大きな境内ではないのですが まっすぐに歩けないのは言うに及ばず 人に触ることなく歩くのが大変なほどの賑わいでした 用意した食べ物や手芸品の多くは売り切れ 大好評でした それらの販売を開始したのが午後4時30分 盆踊りが始まったのが5時30分 そして終了したのが9時でした ですから 踊りは3時間30分 食品などの販売を入れてもわずか4時間30分の行事でした しかし その4時間30分のために費やした準備の時間と労力は膨大なものでした 永井キース理事長 多賀サンドラ実行委員長を初めとする実行委員会役員の皆さん いろいろお手伝いを頂いたボランティアの皆さん 食材などを寄付して頂いた方々 そして盆踊りに参加して頂いた方々など多くの人のお陰で開催大成功を収めることができたことを心から感謝しています マウイやヒロでの経験はありましたが 別院での盆踊りは私にとって初めてでした とてもよい経験となりました これを活かして来年はもっとよい盆踊りを開催したいと思います

盆踊りの最中 私も何かと忙しくいろいろ動き回っておりました その忙しさの中で頭の中を去来したのは 我が宗祖日蓮聖人の「異体同心」の教えでした 異体同心の教えとは 『異体同心事』というご遺文に書かれている一節で 「異体同心であれば 全てのことが達成可能である 同体異心であれば何も達成できないということは 3000冊にも及ぶ仏教以外の教えにも説かれるところである 昔の中国にあった殷という国の紂王は 70万もの兵隊を率いていたが 同体異心であったために戦いに負けた 周という国の武王は わずか800人しか兵隊がいなかったが 異体同心であったために 勝つことができた 一人の心であっても 2つの心があれば その心同士が争いを起こして物事を成就することができない 100人であろうとも 千人であろうとも 一つの心で事に当たれば 必ず達成できる」と書かれています 私達は 充分な人手があったわけでないかもしれません 充分な施設や設備があったわけではないかもしれません しかし それを何とか克服して無事目的を達成できたことは素晴らしいことだと思います このことを私は単に心を一つに合わせて協力して何かをなすことと考えていました しかし 今年の盆踊りの最中に思ったことは 何かをなすからこそ異体同心が可能なのだと思い至りました つまり 何も行わないのに異体同心ということはないかもしれない 私たちが何かをなす時にそれが必要になるのだと改めて考えさせられました 盆踊りを開催するから異体同心が必要なのです 何もしていないのに異体同心は難しいことと思います 週日皆さんは例えば仕事であったり 子守であったりと何かするべきことがあり このお寺のことや教えのことを意識することは少ないかもしれません しかし このように日曜日にお寺に来て 法要に参加することによって 自然と異体同心の教えが心と体に入っていきます そして何かなすべきことがある時にはそれが発揮されると思ったのです そうでなければ あれだけの行事を大人数で無事に安全に事故なく行うことはできないと思います 皆さんは普段そのようなことを意識していないかもしれません しかし 多くの人が協力して一生懸命このお寺のために尽力して下さる姿に わたしは宗祖の教えの実践を見たのです

ところで 先週の水曜日 8月28日はマーチン・ルーサー・キング博士があの有名な「私には夢がある」の演説をし ワシントン大行進を行ってから50周年の日でした キング博士の行動や演説は歴史に残る偉大なものです しかし 私は思うのです キング博士はその演説から約50年後にハワイ出身のアフリカ系アメリカ人の大統領が誕生することを予想できただろうかと 酷い人種差別の中であのような話をすることは命がけだったと思います 高らかに語った夢が50年経って完全に実現されているわけではないかもしれません しかし 不可能とも思えた大統領の誕生で大いなる夢の実現に近づいたことだけは間違いのないことだと思います オバマ大統領は それでもまだまだ多くの問題があり 私達は行進を続ける必要があることを指摘しています

私たちには私たちの夢があります それは 750年前に私たちの宗祖が掲げた「一天四海皆帰妙法」という夢であります これは 単に全ての人が法華経信仰するという意味ではなく 法華経の教えによって皆が仏様となり 永遠に幸せになろうということです 750年にわたる夢を実現するために 努力する義務が私たちにはあります 決して不可能とは思っていません 盆踊りの最中に懸命に努力される皆さんの姿に宗祖の教えの実践を見た私は 自信を持って可能と言えます 黒人大統領が誕生させたアメリカではそのことがより可能かもしれません その為には何をすべきか?ニュースレターでお知らせしましたが そのようなことを皆さんとお話したいと思って別院カンファレンスを開催することにしました

自分が幸せになるために 人も幸せにするために 最高の教えといわれる法華経を信仰する者の義務として 皆さんと共に努力を重ねたいと思います

2013年9月1日