松葉ヶ谷雁信

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八正道

前回は四聖諦についてお話しました 四聖諦とは 最も基本的な仏教の教えで 4つの教えから成り立っています それは ①この世は苦に満ちている ②苦の原因は われわれの欲望である ③理想的な世界とは 欲望を減った世の中である ④欲望を減らす方法は八正道によらなければならない というものでした

今日は その続きで八正道についてお話をしたいと思います 八正道とは 8つの正しい行いについて述べたものです すなわち ①正見 ②正思惟 ③正語 ④正業 ⑤正命 ⑥正精進 ⑦正念 ⑧正定のことです ①正見とは 四諦の真理などを正しく知ることです ②正思惟とは 正しく四諦の道理を考え判断することです ③正語とは 嘘等を離れ 正しい言葉を使うことです ④正業とは 殺生等を離れ 正しい行いをすることです この二つは正思惟されたものの実践です ⑤正命とは 身口意の3業を清浄にして 正しい生活を営むことです ⑥正精進とは 仏道修行に励むことです ⑦正念とは 邪念を払い 正しい道を考えることです ⑧正定とは 清浄な瞑想を行うことです

このようにいうと 意外に簡単に思われるかもしれません 確かに ある意味で常識的なことといえるかもしれません 特に目新しさを感じないかもしれません しかし よくよく考えてみて下さい 日常生活についてこれらを全て守ることは実は至難の技といえます 例えば 人にはいろいろな状況があり 関係があって生きています 人生において間違いを犯したことのない人はいないでしょう わかっていても いろいろな事情からどうしても正しくないことをしてしまうことはあります そしてそのことを後悔することも多いかもしれません ですから よくよく考えてみると 正しく生きることはかなり難しいことなのです だからこそ 仏様はわざわざこのように 基本的な教えとして残されたのだと思います

ただ この八正道は 小乗の修行方法とされています 私達は 大乗仏教の信徒です 自分の悟りの完成のみに集中する小乗仏教の救いとは違いがあります 大乗仏教は 社会との係わり合いの中で自分のみならず他人をも救うという目的の下に修行をしています また 現代は末法の時代です ということは より大きな目的のために より厳しい状況で悟りを目指して励んでいるということです そこで 宗祖日蓮聖人は 末法の凡夫である私達にとってはお題目をお唱えすることが一番の修行であると教えられています それは 全ての仏様の教えの中で最も素晴らしい教えが法華経であります その教えに帰依しますという意味である南無妙法蓮華経 お題目をお唱えすることにより 法華経に説かれる功徳をもらうことができるからです

12月8日は お釈迦様が悟りを開かれた日といわれています 悟りを開かれ 仏様となられた日なのです 仏教の誕生日なのです この日から仏教の教えと歴史は始まりました その最初の教えが四聖諦だったといわれています 成道会にあたり 仏教の原点である教えをもう一度皆さんと共に学びたいと思いました そのため 今日は四聖諦八正道についてお話をしました 基本に帰ることはとても大切なことですので 皆さんも是非忘れないようにして下さい

2013年12月1日